(前編はこちらをご覧ください)
ドイツ、次なる都市はICEに乗って約二時間半!あの世界遺産の大聖堂もある観光地ケルン(Köln)を目指します。
今回、列車を使って数ヶ国を巡遊したので、お得なユーレイルパスを使いました!
このパスだと加盟国の列車は切符を買わずに乗ることができます。
チケットは当日購入すると割と高いんです!語学が苦手だと切符を買うだけでも一苦労💦
このパスがあれば乗り遅れる事なく、乗車後に車掌さんに見せるだけですから列車移動がとてもスムーズ。
スイスではバスの切符を買うのに券売機の前で30分悪戦苦闘。
ですので、どこの国でもレイルパスと市内1Day Ticketで乗り切りました!
10日間で正規料金のトータル半額以上安くなりましたよ(^^)v
しかし!いつくかのルールがあり、乗車日を記入してから乗らないとペナルティがっ💦
スイスではその場で書いてね!と判子を押してくれたのに、、、ドイツではそうはいきません!
原則と書類の国です。車掌さんに怒られ運賃を請求されました!「今書きます!」と言いましたが駄目でした…
しっかり130ユーロも取られてしまいました(泣)まあ、それを足してもパスの方がお得でしたし…食べたかった車内食堂のランチをあきらめて節約!
列車の中から見えるあの世界遺産!駅の目の前にそびえたつケルン大聖堂は圧巻でした!
そして恐怖すら感じる存在感。どれだけ離れてもカメラの画角に入りません!
ローマ時代からの歴史を誇り、ゴシック様式の建築物としては世界最大のケルン大聖堂!
ゴシック建築って凄いです。その当時、とても人の手で建設したとは思えません!
第二次世界大戦時、一夜で1000機の激しい爆撃を受けたケルンの街。大半が破壊されるなか、一部破壊したものの全焼失せずに残ったケルン大聖堂。教会内にいた市民がミサをしながら賛美歌を歌い、その夜を耐え過ごしたそうです。そして翌朝、外に出たら辺り一面の焼け野原に震撼し、無力感に襲われ立ち尽くしたと…
ドイツは日本と同じ敗戦国として史上空前の空爆を受けました。ドイツ全土が壊滅され多くの人命が奪われました。
先の攻撃により、相手国から更なる激しい空爆を受けたドイツ。当時の文学者は空爆をテーマにした作品を書くことなく、ドイツの人々も空爆の惨状については長らく固く口を閉ざしていました。
ケルン爆撃の分析にいち早く訪れたイギリスの学者はこの惨状について、その後の報告書を書く事は出来なかったそうです。
40年の歳月を経て当時のケルンを思い起こし「ただ、瞼に残っているのは真っ黒に聳えていたケルン大聖堂とちぎれた1本の指ばかり」と述べたそうです。(W・G・ゼーバルト「空襲と文学」)
下の写真をよく見ると…
レンガの柱の角は傷んでいます。爆撃で受けた傷跡でしょうか?
そして、終戦間際にはケルン市街のあちこちで瓦礫の隙間から濃い緑が茂り出し、別の地では数か月後にマロニエやライラックの花も咲かせたそうです。自然が持ってる再生能力は戦火にも負けなかったんですね!
弱音を吐かず黙して「過去よりもっと大きく立派に再建してやる!」と奇跡の経済復興を果たしたドイツ。
ケルン大聖堂はドイツ国民にとって生きる希望を与え続けた再建のシンボルなんでしょうね!このような世界遺産が二度と破壊される事がないように願ってやみません。
教会内部
とにかく天井が高くスケール感が壮大です。
中世のヨーロッパの大聖堂建設では、他の都市より高く建てる事が競われたそうです。
神を目指し、天へ近づこうと大聖堂を上へ伸ばし続け高さを競ったんですね!
キリスト教では、神は光であると称えられ、聖書の中でも光がよく表現されています。
その神である光をたくさん取り込む美しいステンドグラス。
聖書の教えを伝え、視覚的な効果で神の存在と偉大さを演出していたんでしょうね!
大聖堂より歩いて数分のところにある聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館
古い歴史をもち、長くキリスト教の美術品を貯蔵してきた聖コロンバ教会。第二次世界大戦で破壊されたままの礼拝堂「廃墟の中のマドンナ」と、その下で発掘されたローマ時代のゴシック様式の遺跡の博物館。
初期のキリスト教から約2000年間の美術品と現代美術まで展示された近代的な美術館が併設されています。
前回のブログでご紹介した建築家のピーター・ズントーが手掛けた教会です。
古い遺跡の上に新しい建物の融合。過去から残された足跡を、現在へ連続性をもって流れ去る時間の意思があり、そして新しい建物の歴史が始まる。ズントーだからこその建築です。
都市2000年の記憶の風景
この地の思い出の風景として歴史への洞察を表しています。
静かな中庭が失われた中世の墓地の代わりに…
それぞれの中庭の風景ですが、そこには「内と外の緊張関係」がありその場の空気は全く別のものでした。
(下)礼拝堂<廃墟の中のマドンナ>(1949)
(下)聖聖餐礼拝堂(1956)
無傷のままのゴシックメアリーの姿を保存するために建築家のゴットフリートベームによって教会の遺跡内に作られました。
聖コロンバ教会はケルンで最も古い教区教会で、その歴史は7世紀にさかのぼります。
戦後の廃墟、第二次世界大戦における構造の消滅があっても、ケルンの人々の心の中で生き続けて来ました。
新しいこの建物で神との出会いの場として市民の皆さんに愛されています。
光と影の博物館 一日と季節の間にのみ進化する影の博物館
地球の外からやってくる光が物体に、構造に、物質に、表面に、色に、形に射す。
光を浴びてそれらが輝く。
どの建築も遠い僻地にしか作品を残さないズントー。
観光地でもあるこの場所の建築を、コンペを制してまでどうして手掛けたかったのでしょうか?
その答えが美術館のひとつひとつの展示ルームの中にもあります。
まず、入り口で各作品について書かれた冊子が配布され、それを見ながら作品を観て回るのですが、この冊子を理解しないと展示の本当の意味を知る事ができません。
教会の真実やキリスト教に関する絵画や美術品。現代におけるさまざまな主義、思想が作品を通して展示されているそうです。
ちゃんと事前知識に時間をかけるべきでした。いまだ調べきれず…もう一度行きたいです(笑)
入り口のカウンターの木をまじまじと眺めて触っていたら、受付のお姉さんが声をかけてくれました!
館内で使用されている素材である木の種類と原産国が書かれた用紙をどうぞと!
このカウンターはユーカリのべニアリング(ユーカリ種)
ここで使用されている木目はとても希少なそうです!
芸術作品が際立つ官能的な素材
「素材は建築の中で響き輝くことができる。」とズントーの言葉。
光の誘導
鈍い光が浮遊させるように導きます。
労働者の椅子
何故、脚が2本なんだろう?
”奴隷労働””搾取”について座れない椅子で表現したのか?
12世紀後半の十字架の彫刻(象牙)
床から天井までの大きな窓が光を取り込み空間に影を落とします。
影に誘導されて進みます。
せっかくヨーロッパに来たし、いろんな場所に行ってみたい!と走り回って来ましたが、この図書室のこの席に座って部屋の中から空間を眺めていたら、不思議と時間に捕らわれず「いいや…もうここでゆっくりしよう。」と結局1時間以上もこの場に佇んでしまいました。
ここでもズントーの光の魔力に捕らわれてしまったようです。
他にも本を読んだり窓の外を眺めたり。ゆっくりと過ごす方がたくさんおられました。
これが本来の空間の在り方なんでしょうね!
さて、今日泊まるホテルも予約できたし少し街を散策!
ショッピングモールの中にある大型家電屋さんへ
ここではBosch の家電製品が当たり前のようにズラリと並んでいます。
Bosch 食洗機
日本にはないモデルもあります!ドイツの工場では一日に一万台近いBoschの食洗機を製造しています。Bosch だけではなく、シーメンス製品やその他のブランドも製造しています。
Bosch 冷蔵庫
冷蔵庫もシンプルでかっこいい!
Bosch 洗濯機
子供が3人のHにとっては海外製の洗濯機と乾燥機を上下2段に並べて設置するのは憧れです。
Bosch コンパクトキッチンマシン
種類も多く台車に箱で積んでるあたりに親しみを感じます!
それだけたくさの人に買い求められているんですね!
そして、ウィンドウショッピングの途中に大阪らしいアイテムを発見!
ヒョウ柄は大阪女性のシンボル!
ヨーロッパでのトレンド入りに思わず癒されました(^^♪
ドイツでの楽しみのひとつでした。ケルンでしか飲めないケルンビール!
ライン側沿いのホテルにあるテラス席で川を眺めながらゆっくり食事を取りました♡
ドイツの食事って、お家で食べる時は意外と質素であっさりしているそうです。
こってりとした料理を食べたい時は外食されるそうです。日本は多国籍料理を楽しみますから、ドイツとは食器の汚れ方が少し違いますね…
旅の途中、オランダ、スイスではよく職業を尋ねられました。日本でBosch 食器洗い機のセールスをしていると告げたらとみんなとても喜んでくれて「日本でBosch はどうだ?みんな知っているのか?」「素晴らしいブランドだよ!」と言ってくれました。
電車で隣合わせた人や道を尋ねた街の人がお喋りしながら言って下さったので、きっとBoschの欧州における好感度の高さなんやな!と感激しました。
飴ちゃんは世界に通じる大阪のおばちゃん必須アイテム!
「どこの国やろが、誰やろが、言葉もまともに通じひんのによう喋るなぁ…ほんで、なんで仲よなってんの?ほんま、あほちゃう?(笑)」と我ながら大阪DNAを褒めてしまった今回の巡遊でした。
ケルンからオランダのアムステルダムまで最後のICE乗車です。
今度はちゃんと日付を記入して乗り込みます。
旅の最後にパスを見た車掌さんは、その記録をじっと見つめて「いい旅だったね!」と笑いかけてくれました。
今回の旅の原点でもあったピーター・ズントーの建築。
イギリスに完成したズントーの新作である宿泊型建築
「The Secular Retreat<セキュラー・リトリート>」
すでに日本からも敏感な方は滞在されています。
滞在中にいただいた画像にすっかり魅了されてしまいました。
重厚なコンクリートの壁から溢れる存在感。
丁寧で手間のかかった作業が伝わります。
そして開放的なリビングとキッチンにはあれ?Boschのロゴが!
なんと!こちらの住宅のキッチンには至るところにBosch製品があったそうです。
セキュラー・リトリートはもしや世界最高のBoschショールームではないか⁉
ここに行きたくて色々調べましたが…ずっとずっと先まで予約でいっぱいでした。
ここに行く前に彼の建築を見たい!というのが今回の旅の始まりです。
ピーター・ズントーがキッチンの設備にBoschを選んでくれたいきさつを知りたいと思いつつ、いつかここに宿泊したいな!と新たな目標です!
きっとBosch 創業者のロバート・ボッシュと心通うものがあるのかな?と私は思っています。
これからも大阪ショールームより皆さんにたくさんBoschの事を発信したいと思います✨
※Peter Zumthor(ペーター・ズントー)
「建築を考える」「空気感」より引用
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